2010.11.23

iPhone4などのiOS4系デバイスでは既に行われていたものですが、iOS4.2.1の導入でiPadも恩恵にあずかれるようになりました。かなり恩恵の多い「技術基準適合証明の電磁的表示」ですが、意外とスルーされている方も多いなぁ、というのが印象。
「技術基準適合証明」の「電磁的表示」とはなんでしょうか?
まず「技術基準適合証明」。
これは、「このデバイスで使われている電波・無線の規格が日本でも検査されていて、日本で使用しても問題ないですよ」という公的証明です。総務省の委託の下、数社が検査・証明業務を行っています。
で、この「技術基準適合証明」。無線を使う機械には、すべからく表示されています。数字3桁で始まる英数字の羅列番号です。無線技術の種類によって各証明番号が表示されています。例えばdocomoだとFOMAプラス用の800MHz帯無線で1つ、FOMA用2GHz帯無線用で1つ、Bluetoothで1つ、2.4GHz無線LAN用で1つ、といった具合です。普通の携帯電話でも2〜3つの証明番号が、一般の携帯電話だとバッテリーパック付近に書かれていることが多いです。当然PCも同様です。
逆に表示されていないものは違法です。電波法違反で懲役もしくは罰金刑が課せられる可能性もある結構重い犯罪になります。
もし表示されていないものを使おうとすると、上記の検査機関に持ち込んで検査してもらう必要があります。一番有名なTELEC(財団法人テレコムエンジニアリングセンター)ですと、1個体でおよそ20万円程度かかりますので、一個人が技適証明を取るのは結構困難なのです。
次に「電磁的表示」。
通常は筐体などに上記の「技術基準適合証明」の番号を記しておく必要があるのですが、最近の無線デバイスの小型化・多様な無線規格の採用でその番号を記入する場所が無くなってきています。そこで、デバイスの内部で電磁的に表示する(例えばディスプレイに表示する)ことで、筐体等への記入を省略しても良いことにします、というものが「電磁的表示」です。今年の4月?に総務省令で制定された比較的新しいものです。
で、この電磁的表示が可能になることで何が良いかというと、先ほども言った通り小型化が容易になったり、デザインの自由度が上がるというメリットのみならず、筐体には表示されていない海外で購入したデバイスが後々のソフトウェアアップデートによる電磁的表示の採用で日本でも正式に使えるようになるということです。それには、メーカーが日本の技適審査を受ける必要がありますが、設計審査というものもあるのでメーカーにとってはさほどハードルの高いものではなかったりします。
今回の直接的なメリットの一つは、海外購入組のiPadを大手をふって日本で使えるようになった、ということです。
また逆に、SIMロックフリーの海外版iPad 3G+WiFiを買ってきて日本で使うことも可能になります。
これは嬉しいかぎり。
次期iPadをアメリカで買ってきた後も、法に問われることもなく使えるわけですし、また、SIMロックフリーのiPadを買ってきて日本通信(b-mobile)のSIMを挿して使うことができるわけですよ。
おそらく他のタブレットデバイスでも同様の流れになるはずなので、わざわざ日本のキャリアから買うのが(サポート自己責任ができるなら)バカらしくなる日がくるかもしれません。
ということで、我がiPadも海外組なわけですが、これで「実験」→「実用」のフェーズに移れます。うふふふふ。iOS4.2のiPad的目玉であるマルチタスクやAirPlayだけでなく、こういう地味なところでもかなりの恩恵がありますよ、ということです。
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